最高の3DCGクリエイティブを生み出すために
とことんこだわり、妥協しない

W|3DCGデザイナー
2016年f4samurai入社

現在『コードギアス 反逆のルルーシュ ロストストーリーズ』(以下ロススト)のリード3DCGデザイナーとして幅広く活躍しているWさんをご紹介します。3DCGデザイナーの仕事内容や仕事のやりがい、クリエイターとしての想いなどをじっくり語ってもらいました!

キャラクターデザインからシーン制作まで。幅広い3DCGデザイナーの仕事

3DCGデザイナーの仕事内容を教えてください。

3DCGデザイナーは名前の通り、ゲーム内に登場する3DCGクリエイティブを手掛けるデザイナーです。3Dキャラモデリングと呼ばれるキャラクター制作が代表的ですが、それ以外にも背景制作やモーション、エフェクトなど、デザイン領域は多岐にわたります。

私が現在関わっているロスストはバトルシーンを3Dで表現、その他は2Dで表現しています。演出をかっこよく魅力的にすることが私の責務です。

3DCGはさまざまなクリエイティブがあるイメージです。各領域について詳しく教えていただけますか?

f4samuraiの場合は、「3Dモデル」「背景」「モーション」「エフェクト」の4つの領域に分かれてデザインをおこなっています。

3Dモデルは、3DCGでキャラクターを制作していく業務です。元デザインはイラストレーターの方が担当することが多く、私たちはキャラクターの二面図や設定資料を基に3Dにしていきます。背景は、文字通り3D背景を制作する仕事です。エフェクトと同じく、主にキャラクターやモーションを引き立てる役割が多いですが、ゲーム内のどの画面にもほぼ必ず背景が存在するので、ゲーム自体の世界観や空気感を表現するために欠かせない存在です。

モーションは、キャラクターに動きをつける仕事です。一般的には走ったり攻撃したり、待機しているモーションを作ることが多いです。さらに、ロスストチームではカットシーンの制作もモーションデザイナーがおこなっています。キャラクターをどう動かし、どうカメラが追うのかまで一貫して担当しています。

エフェクトは、火花や光などの視覚効果をつける工程です。メインとして制作されることは少ないのですが、エフェクトが入ることでキャラクターがより魅力的になったり、カットシーンがグッと引き締まったりといった効果があります。

現在のチーム体制としては、各領域に主担者が1~2人ずつ配属されていて、細かい作業などは協力会社さんと連携しながらおこなっています。なので、社内の3DCGデザイナーは制作作業もしつつ、監修もするという人が多いですね。

私は3Dモデルの制作を担当しつつ、カットシーンをはじめとした3DCGクリエイティブ全体を見る総監督のような業務をしています。

これまでのキャリアとf4samuraiに入社した理由

全体を見るとなると幅広い知識やスキルが必要になりますよね。どのように身につけたのでしょうか?

前職の方針が「キャラクターは作った担当者が一番よく知っているから丸ごと担当する」というものだったので、工程でチームを分けずに1人でモデリングからモーションまでおこなっていたというのが大きいと思います。そのときに、カメラワークを意識したモーション制作していたので、基本の作り方はそのとき身に付けました。

その後、別会社さんに出向する機会があり、そこでは3Dモデル専属の業務だったので、今度は3Dモデルの最新の作り方やノウハウを学んで……といった感じで、モーションや3Dモデルをメインとしながら、違う領域の業務をさせてもらったり、依頼されたりして、今に繋がっていった感じですね。

経歴としては、その後f4samuraiにフリーランス、形態としては業務委託で転職をしました。

最初はフリーランスでのご入社だったんですね。入ろうと思われたきっかけは何かありましたか?

オフィスがすごくきれいだったことと、受けた会社の中でも特に熱量高く入社を希望してくれたというのがあります。

実を言うと、転職活動中はもっと3Dモデリングを突き詰めて作業できる会社を探していて、f4samuraiの業務内容は少しイメージと離れていたんです。ただ、当時『ワンダーグラビティ ~ピノと重力使い~』(以下ワングラ)というf4samuraiで初めての3Dタイトルを開発していて、3DCGチームが黎明期のようなタイミングだったので、クリエイティブもチームもこれから自分たちの手で作っていけることに魅力を感じて入社を決めました。

希望とは違う業務とのことでしたが、実際やってみていかがでしたか?

楽しいことの方が多かったですね! これまでの制作業務に加えて、ディレクションやチーム形成など、新しいことにチャレンジすることができました。1年ほど経ったころにワングラのプロデューサーで代表の金から正社員へのお誘いをいただきました。f4samuraiは「正社員だから」「業務委託だから」といった垣根を作らない風土の会社なので、こちらからアイデアを出すことも多々ありました。業務委託も社員も働き方が変わらないことに私は心地よさを感じていましたし、せっかくお誘いいただいたので正社員になろうと決意し、現在に至ります。

常に最高のクリエイティブを届けたい。仕事のこだわり

日々の業務で大切にしていることや意識していることはありますか?

できることは全てやって、常にクオリティが出ているという状態にしたいと考えています。手を抜くことは簡単ですが、そうした箇所はユーザーさまや周りのメンバーにもすぐにわかってしまうものなので。キャラクターのルックや背景の臨場感、ライト演出、シェーダー、画面のシェイク、スロー再生・倍速再生SEタイミング、エフェクトタイミング、ブラー等の画面エフェクトなど……どこをとっても“きちんとやり切った”という感覚を持ったまま常に走っていたいと思っています。

具体的にはどんなこだわりを持って制作に当たられていますか?

1つの工程でしっかり仕上げつつ、後の工程まで視野に入れながら、クオリティを出せるようにというのは常に意識しています。

例えば、ロボットの3Dモデルを作るときは面の変わり目を意識しながら明暗をつけていくのですが、光の当たり具合や面の角度などを一つひとつ丁寧に考えて作業をしていきます。そうすることでロボット特有の工業製品らしさやかっこよさが際立ち、クオリティが高い3DCGに仕上げていくことができます。

ここにモーションが加わると、動き方やシーンの状況、演出次第でキャラクター自体がモデリングのときと違った見え方になります。悪役はわざと逆光を強めて雰囲気を出そうとか、逆に味方は順光で怪しさを感じさせないようにするとか。カットシーンにキャラクターがのったときにどう見えるか、そのときにどう見せたいかというのも含めてモデリングはこだわっていますね。

あと、こだわりとは少し違うかもしれませんが、モデリングするための情報が少ないことがあって、そういったときに3DCGデザイナーとしての腕が鳴るなと感じます(笑)。
基本的には二面図や設定資料を基に3Dモデルを作っていくのですが、キャラクターの背面など、資料には描かれていない部分も3Dモデルでは必要になります。その場合は資料から逆算をして、描かれていない部分をいかに納得感がある3Dにできるか、よりクオリティが高い3Dモデルとして作り上げられるかというのを意識していますね。資料にないとしても3Dになったときに360度どこから見ても完成度が高いキャラクターに仕上げたいと思っています。

監修者としてフィードバックをする機会も多いと思いますが、その場合はどんなところを注視されていますか?

3DCGだからこそ出せる臨場感や没入感をきちんと表現できているかという部分と、各工程が組み合わさったときのバランスですね。

モーション制作、社内だと主にカットシーン制作になりますが、ただキャラクターを動かすだけでなく、カメラで好きなように追い、好きな角度で見せられるというのがロススト3Dチームの強みです。その強みを生かして迫力ある3D映像に仕上げるために、カメラに対するアクションや演出、シーンの変わり方などはいつもこだわって見ているポイントです。

やれることが多いので、時間と闘いながらいつも凝れるだけ凝ってしまうのですが(笑)、自分の力で最後まで作り切ることができるというのはやりがいにも繋がっています。

また、シーン制作には後から字幕やエフェクトが入ったり、背景であればキャラクターがのったりするので、どれか1つだけをただ仕上げるのではなく、それぞれが合体したときにどう見えるかも重要です。

例えば、エフェクトは脇役になることが多いですが、ビームシーンなどエフェクトが主役のシーンであればエフェクトを主軸にシーン全体のバランスを考えたり、背景であればキャラクターがのることを考えてあえて質感を抑えたりします。

常に何か1つが主役なのではなく、シーンや画面によって「ここでは何を1番見せたいのか」を意識することで、3DCGならではの臨場感やゲームへの没入感を高めたいと考えています。

クリエイターならではの苦悩とやりがい

日々の業務で特に大変だと感じることは何ですか?

監修するときにどう言えば良いのかというのはよく悩むポイントです。

言葉遣いもそうですし、こちらは適切に指示を伝えたつもりでも別の解釈をされてしまうこともあります。私はどちらかというと、クリエイター一人ひとりの個性や作品に現れた尖った部分をできる限り大事にしたいと思うタイプなのですが、全部そのまま出してしまうとゲームの統一感がなくなってしまうので、監修者としてはそこも直さなければいけない場面も多くて……。そのさじ加減も非常に難しいと感じます。

ただ、やはり尖っていても良いものは良いと見ればわかるので、許容範囲はどこなのか、ゲーム内でうまく生かしていくことはできないかというのは常に考えながらフィードバックしています。

やりがいや楽しさを感じるのはどんなときでしょうか?

自分が作ったクリエイティブに対して、ユーザーの皆さんから反響をいただけたときに一番やりがいを感じます。自分の作ったクリエイティブで喜んでくださる人がいる、というのはとても達成感がありますね。

あとは、やはり納得いくクオリティのものを作り上げられたときは3DCGデザイナーをやっていて良かったと思う瞬間です。自身が作ったものでも、メンバーが作ったものでも、良いものができるとメンバー同士で「実装したらどう動くかな」「今から楽しみですね」なんて会話をするのですが、そういったときはすごく楽しいですね。

クオリティを追求できる環境。f4samuraiの魅力

クリエイティブにこだわりたいけど、リソースや予算などさまざまな事情でできない、という開発現場も少なくないと思います。それがf4samuraiでできる理由は何でしょうか?

会社の方針の1つに「クオリティを重視しよう」という考えがあるからだと思います。もちろん予算も締め切りも基本的に守らなければいけないものですが、コストよりもクオリティを大事にしたい部分に関しては「きちんとコストをかけましょう」と考えてくれる会社なんです。

現在進めているプロジェクトも「3DCGをしっかり推していきたいからみんなで良いものを作ろう。そのための予算なら割いてもいい」と言ってもらえて。そのおかげでとことんこだわった3DCG制作ができましたし、きちんと良いものを作って会社に還元したいというモチベーションにもなりました。

会社との信頼関係が感じられるエピソードですね。他にf4samuraiの魅力や好きなところはありますか?

自身の仕事をしっかりこなして信頼を得たうえでですが、役職関係なくきちんと意見を聞いてくれるところは魅力ですね。
f4samuraiは自分たちの作るゲームをより良いものにしたいという想いが強いメンバーが多く、普段から意見交換やアイデアの出し合いが盛んな環境です。単純な作業だけでなく、自分の提案がゲーム作りに生かされたり、クオリティをアップさせるための提案ができたりするというのは、一クリエイターとしてやりがいを感じられる部分かもしれません。

3DCGチームの魅力はどんなものがありますか?

1つの領域を極めるのではなく、専門領域以外にもチャレンジできる点はf4samuraiの3DCGチームならではだと思います。

例えば、背景デザイナーで入社したけど3Dモデルもしてみたい…! という希望の方がいたら、できるところから少しずつ挑戦していただきたいと考えています。一領域だけではなく、幅広い3DCGの経験を積みたい、違う領域の3DCGデザインにチャレンジしてみたいという方には向いている職場だと思います。

もちろん、クオリティが高い制作をしたい方やそのためのアイデアを発信してくださる方も大歓迎です。私も引き続き良いものを作っていきたいので、一緒にクオリティを追求した制作をおこなっていきたいですね。

社内全体の更なるレベルアップを目指して。今後の目標

最後に、今後の目標を教えてください。

社内の3DCGチームはまだまだ成長過渡期です。そんななかでの私の命題は、現代のゲーム業界でしっかり戦っていけるクオリティの3DCGを作る力を社内全体につけることだと思っています。なので、新規プロジェクトで今まで以上のクオリティを出しつつ、進行中プロジェクトでも一定のクオリティを担保できるようなチーム力を底上げし、全社的な3DCGのクオリティアップを目指していきたいです。

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